才色飛車〜利き駒の調べ〜

□18
2ページ/4ページ


+++++++++++++++



人の気配を感じて探ってみると、変な女がいた。
綺麗な身なりをしているけど、一人で馬に乗り、空を見上げていた。
その表情は研ぎ澄まされた刀のようで思わず見入ってしまった。(べ、別に見惚れてたわけじゃないぞ!)



「……イイ腰してるよな」

「Σなんだよそれ!?」

「Σふおぁ!!?」



…やっちゃった!
だっていきなり変なこと言うからつい!
なんで突然腰の話になったんだよ!



「えーと…?」

「な、なんだよ!蘭丸は別に見てたわけじゃないぞ!」

「ふーん?蘭丸君ね。私 彼方ー」

「っ彼方…?」

「ん」

「イイ腰って何がだよ…?」

「あ、やっぱ聞かれてたんだ…」



彼方は気まずそうに笑った。



「いやぁ…ここではイイ腰した人が多いよなーって思ってさ」

「はぁ?」

「細いのもがっしりしたのもたまらん…」

「変なの!お前ワケ分かんねぇな!」

「お前の髪型もワケ分かんねぇよ」

「Σ!!?」

「あ、ゴメンつい…」



な、なんか急に口が悪くなった!
ちょっと怖かっ…たなんて思ってない!

もそもそと馬から降りてきた彼方。
変な奴だけど何者かは分かってない。
いつでも攻撃できるように構えた。



「で?何かご用かな?」

「お前!こんな所で何してんだよ!」

「旅の途中ー」

「一人でか?」

「んーん。お目付け役が一人。今はいないけど」



お目付け役?
そんなんいるくらいだし、武器も持ってる。
普通の女じゃないことは確かだよな!
蘭丸ってば冴えてんじゃん!



「蘭丸君こそ一人なの?」

「まぁね。ホントは家来がいるんだけどどっか行っちまったから」

「家来?」

「うん。
ウネウネしてて白くて気持ち悪いんだ

「(
え?人間?)」

「そんで変態!」

「(あぁ光秀か…)なんか凄いね、家来の人」



彼方の口元が引きつったのが分かった。
まぁ気持ち悪いもんな、光秀の奴。



「あいつ気持ち悪くて友達いないから蘭丸の家来にしてやってんだ」

「へぇー蘭丸君も大人の男って感じじゃーん」

「まぁね!へへっ」

「(単純…かーわいいww)」



ニコニコしている彼方。
殺気も感じないし…別に敵じゃないのかな?



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ