才色飛車〜利き駒の調べ〜
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「ふぅ、まったく…どこにでもああいうのはいるものだね。…大丈夫かい?」
「助けていただきありがとうございました」
彼方は深々と頭を下げて礼を言った。
助けてもらったことは本当に感謝していたが、利き駒だとバレてしまっては厄介だ。
幸い今日は着物を着ているし、おそらくただの世間知らずな娘だとでも思われているはず。
このままやり過ごそうと頭の中で考えを巡らせた。
「構わないよ。それよりも君はここの人間ではないのかい?」
「はい、初めて参りました」
「そうか、僕もなんだ。良かったら一緒にお茶でもどうだい?評判の店を聞いたのだけれど不慣れな土地でひとりは寂しくてね」
「私で宜しければご一緒させていただきます」
お前もナンパかよ、と思った彼方だったが笑顔で了承した。
半兵衛が気になるのも事実だし、誘い方が嫌味な感じのしないものだったのも要因の一つだ。
「そういえば聞いてなかったね。君の名は?」
「美代、です」
「お美代さんか、良い名だね」
「(良かったね美代ちゃん…褒められたよ)」
茶屋に着き外の長椅子へと腰を落ち着けた二人。
半兵衛はそこで名前を聞いてきた。
ふと浮かんだ名前は政宗の城にいた女中、美代のものだった。
半兵衛の様子を見て、どうやら偽名だとはバレていないようだと彼方はホッとした。
「あの…お武家様…?」
「嫌だな、半兵衛と呼んでくれないか?」
「(言っちゃっていいのォ!!?)は、半兵衛様…笠はお取りにならないのですか?」
「あぁ…陽の光に弱くてね」
「そうなのですか。私も時々くらくらいたします」
「君は女性なんだからなおさら気を付けた方がいいよ」
半兵衛はクスクスと笑う。
思っていたよりも柔らかい雰囲気の彼に彼方は少し戸惑った。
だが油断できない人物であることは確か。
彼方はぼろを出さないように丁寧かつ慎重に応対していった。
和やかに団子を頬張っている二人。
ハラハラと見守る小太郎の心配には気付かないまま。
利き駒 老公と軍師に出会う
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一気に詰め込んだ感が否めません←
てかBSR3で半兵衛使えないのは残念ですね…
皆さんは予約しましたか?^^
私はもうやってる気でいます((何