才色飛車〜利き駒の調べ〜

□31
2ページ/3ページ




「彼方…もう止めておけ」

「だってまだ幸村と決着が着いてないー!」

「旦那は底無しだから!あ、コラッ!取り上げて風魔!」

「………!」

「あー!小太郎がお酒取ったぁー!」

「彼方殿っ、今宵はもう休まれた方がようござる!」



また飲み始めようとした彼方から小太郎が酒を取り上げる。
幸村も宥めようとするが、彼女はしょぼーんと俯いてしまった。



「Σな、泣かないでくだされっ」

「また飲めばいいじゃん!ね!?」

「………!(ワタワタ)」

「お、おい彼方…」



泣き出してしまったのかと思い、慌てる男たち。
だが彼女は少し顔を上げてポツリと呟くように言った。



「眠い…」

「「「は?」」」

「はぁ」



ポカンとする男たちを縫うように、ため息を吐きながら元就がやって来た。



「彼方、もう寝ろ」

「ん…」

「寝るな、立て」

「うー…」

「はぁ…」

「ふわっ…!?」



埒が明かないと思った元就は彼方を抱き上げた。
そこで少々酔いが覚めた彼女が暴れだす。



「あ、歩けますよぅ!」

「そうは思えんがな」

「皆見てるし…っ」

「知らぬ」

「うわぁん!元就さんのバカーっ!」

「言っていろ」

「ドS!低身長!オクラ!貧乳!103歳!」

「貴様…っ、覚悟しておけ…!」



騒ぐ彼方を連れていった元就の背中を、広間の人間は呆然と見送った。



「………」

「ホント…なんなんだろうねあの二人…てか貧乳て…」

「破廉恥でござるぅう…//」

「103歳ってなんだ…?」

「スピー…」



その後元就も戻ることはなく、彼らの疑問は解決しないままだった。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ