その男、水破の如く

□応接室で
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仕事の話



〜恭弥と闇鷹2〜



「どこ行ってたの」

「ウロウロしてた。だって暇でさー。キョーヤはなんか"咬み殺してくる"とか言って出てっちまうし」

「…うろついた?道理で校内で女子がやたらと騒いでるわけだ」



僕が群れを咬み殺している間にこの男は校内を回っていたらしい。



「ただ知り合いに怒られちまったよ。学校には来ちゃダメですよー、ってな」

「知り合い?」

「おぅ沢田綱吉だ。知ってんだろ?」

「あぁ…赤ん坊の」



どうやら彼らの関係者だったようだ。
ますます期待できるよ。



「それよりお前 授業はいいのか?」

「そんなもの必要ないよ」

「…教師泣かせだな」

「あなたこそ平日に大丈夫なの?と言うより何してる人なんだい?」



オレか?と彼は紅茶のカップを置いた。

でもそれはもうもはや紅茶ではなくブランデーだ。
何故かこの人はブランデーを所持していて…すごい勢いで入れてた。
ブランデーって香り付けの為に入れるもんでしょ?
これはお酒がメインじゃないか。



「お前もファミリーの一員らしいし…いいぜ。教えてやるよ。
オレは裏社会メインの運び屋だ。気に入った依頼しか受けねぇが、受けた依頼は必ず成功させる」

「運び屋、ね」

「あぁ…世界の至る所に色々なモンを運んだよ。
金、死体、武器、情報…花に…
死に際の言葉もな…」

「………」

「ホント…色い…っくしょん!!



本当に裏社会の人?
シリアスも何もあったもんじゃない。



「ぅいー…。ま!命なんざ狙われまくりだしめんどくさいぜ?」

「恨まれてんじゃない?」

「あー否定はできねぇな。情報絡みの口封じとかがほとんどだけどさ。オレも手荒な事やってきたし、それになにより…」



わざとらしく憂いを帯びた表情になった彼に嫌な予感がした。
でも聞いてあげないと可哀想だから聞いてあげた。



「オレが…美形だからだよ」



うん、やっぱりこの人可哀想。




(ツッコミがねぇとただのバカになっちまうんだけど)
(どっちにしたってバカだよ)
(…泣くぞ)



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end


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