リクエスト部屋

□ハングリースパイダー
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「獄寺が?マジで」
「うん。意外でしょ?俺もびっくりしたよ」

綱吉が興奮したように身を乗り出した。獄寺は購買にいっていていない。
綱吉の話を聞くと山本も目を丸くした。

「そのときの獄寺君、なんか遠くを見てるみたいでさ。絶対好きな人がいるんだよ」
「あの獄寺が、ねえ」

綱吉が、獄寺には好きな人がいるのだという直接聞いたわけではないらしいが、綱吉の勘の良さは尋常ではないから信憑性は高い。
しかし山本は簡単には信じられなかった。
獄寺はいつも綱吉にべったりで、女子と話している所もあまり見かけない。女子に人気だってあるけれど、いつも「ウゼェ」と言って無視している。綱吉の次に近い位置にいる(と、山本は思っている)山本でさえ彼から恋愛の気配は感じられないからだ。

「ぴんとこねえなあ」
「獄寺君て意外とまじめだから、好きでも言えないのかも」

確かに、あいつはいわゆるツンデレだから好きな奴にほど素直になれない、なんてことも有りそうだ。
けれどそれにしても。

(獄寺が、恋?)

やっぱり、違和感が拭えなかった。

















ハングリースパイダー
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