リクエスト部屋
□loveholic
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付き合って半年。
始まりは山本の強引な告白。
好きだから付き合って。
その言葉に獄寺は驚くばかりだった。
山本のことが好きかどうかなんて考えたこともなかったのだから。
ただ、悪くないと思った。
OKした理由なんてその程度。
そして半年。
「獄寺」
柔らかい声音で獄寺を呼ぶ、そのたびに逃げ出したくなる。
特にここ最近。
その音から、聞こえる耳から何かが浸透していきそうで。
胸がざわつく事がたまらなくて。
「獄寺?」
顔を覗き込まれて心臓が跳ね上がる。
絶対に、おかしい。
こんなの今までなかった。
(なんで、山本なんかに)
初めは、山本がぎこちなかった。二人でいるだけで赤くなって緊張して、滑稽だと獄寺は笑ったものだ。
しかし獄寺は獄寺で、付き合うと決めたもののどうしたらいいか戸惑っていた。
付き合うということは。
キスをしたり触れたり、そういうことも含まれるのか。
悪くない、程度にしか思わなかった獄寺はそういうことをしたいと思わなかったし、山本も奥手なのか、そんなことはしてこなかった。
二人で出かけたり、電話をしたり。
だから平気だった。