リクエスト部屋

□お嫁サンバ
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ジェラートは既に半分に減っている。
隼人は猛烈な勢いで残りを口に入れながら、またしてもランボを睨み付ける。

「そ、それで…原因はなんですか」
「俺が家を出るって言ったら、許さないって激怒された」

綱吉は隼人を溺愛している。そりゃあもう、こちらが見ていても呆れるくらいに。ついでに言うと綱吉の息子である吉宗も隼人にベタ惚れだ。
その隼人が家を出るというのだから反対はするだろう。しかし養子とはいえ獄寺隼人なのだ。いずれ家を出るのは当然で、激怒というのは解せなかった。
ランボが首を傾げると、隼人が続けた。

「山本のアパート、広いだろ。そこに住むって言ったら」
「えーーーー!!」

ランボの大声に隼人がびくりと身体を震わせる。
ランボは思わず立ち上がっていた。
それはまずい。

「な、…なんだよ?」
「それは駄目ですよ!そりゃボンゴレも怒ります!」

山本と隼人が恋仲であることはボンゴレ内に知らないものはいない。
男性であった頃は実際に二人で住んでいたこともある。しかし現在の二人は山本が36歳、隼人が16歳だ。しかも隼人は女性ときている。あの親バカの綱吉が許すはずが無かった。

「急に、どうしてですか?確かあの時、3年間はキスまでルールをボンゴレに厳命されたんじゃ…」
「3年経ったぞ。アホ牛」

言われてはっと気づく。そういえば山本と隼人がよりを戻した(というのが正しいかどうかちょっと疑問だが)時、隼人は13歳だった。そして数ヶ月前に隼人は16歳の誕生日を迎えている。

「で、でもいきなり一緒に住むというのは」
「なんでだ?俺たちのことは皆知ってるし、大体男だった頃は一緒に住んでたんだぞ」

本当に分かっていない顔で隼人が答える。
同じ恋人同士でも、同い年の男と20歳離れた男女―しかも隼人は16歳だ―とでは話はまったく変わってくる。

「山本氏がロリコン変態扱いされるのは今更ですが…駄目です。俺も反対です」
「だから何でだよ?」
「隼人さんお願いだから女性だという自覚を持ってください」

深い溜息とともにランボは恨めしげに呟く。
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