05/09の日記
22:11
嘘つき
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2424 獄モノローグ
嘘なんです
あの時のお前は、すくすくと綺麗に育ったガキで。平和な日本らしい、平和な感覚を持った子供だった。
好きだと言い合って、キスをして。俺は素直になれずに逃げてばかりて、そのたびお前が捕まえた。
大丈夫、怖くないよって。
なあ山本。あの時の俺の仕草も行動も、全部嘘だとしたらどうする?
本当は恥じらうような純粋さなんかなかった。怖くもなかったし、何をどうすればお前が蕩けてくれるのかも全部知ってた。
知らないフリしただけだ。
だってお前、はじめてだっただろう。
誰かを好きになるのも、キスするのも、セックスだって。そんなお前が、俺の本当を知ったら嫌になると思ったんだよ。
嫌われたくなかった。お前が好きだったんだ。これは本当。
でも、もういいかな。
10年、経ったのだから。初めは嘘でも、10年の間に俺の身体と心を知り尽くしたお前にもう嘘を重ねる必要は無い。乱れるのも、上がる嬌声も真実だ。
だから山本、怒らないでくれよ。
お前が好きだというその心だけはずっと真実だから。
だから、あの頃の俺が吐いた些細な嘘なんて、もう、時効。
そうだろう?
黒獄…?
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