06/17の日記

14:58
ひとめぼれ
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2424パラレル
24で出会う二人 しかも獄は天然風味








ぽと、と間抜けな音と一緒に煙草が地面に落ちた。

「落ちましたよ」

俺はそれを拾って、前を歩く男に声をかけた。
そして、釘付けになる。

「ありがとう」
「…」

銀と緑という派手な色彩をした男は、それはそれは綺麗に笑ったのだ。

「…あの」
「え?あっ」
「俺の顔、なんか付いてる?」

ちょっとうさんくさそうに眉をしかめ、首を傾げて見せる。
それがトドメだった。
正直おかしい。おかしいのは俺の目なのかこの男なのかはわからないけれど。
だって、同い年くらいの男が可愛いのは、おかしいだろ。

「いや、ごめん珍しい髪だと思って」

俺の下手な言い訳に、男はまた綺麗に唇を上げて、

「ああ、よく言われる」

と極上の笑みをくれた。
そしてふと、男の持っている地図に目がいった。

「どっか行きたいの?案内しようか」

我ながら酷いナンパのセリフだ。
しかし男は顔を輝かせた。

「マジ?良かった、分かんなくて参ってたんだ」

また笑顔の大サービス。

「あ、でもアンタ、スーツじゃん。仕事中じゃ」
「いーよ、営業だし今日はもう帰るとこだから」
「そっか。じゃ頼むわ」

気遣いまでしてくれちゃったりなんて、もう。
その時既に俺の頭の中はどうやって携帯番号を聞き出すかでいっぱいだった。










あれ、獄が天然どころかあほっぽ…

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