07/15の日記
22:57
ことだま
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言葉にすると現実になる。
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「…は?」
顔を真っ赤にしている山本の言葉が理解出来なくて、俺は間抜けな声をもらす。
二人して、夕立に振られて。仕方なく山本を家に上げた。
とにかく熱いシャワーを浴びて、出てきた。タンクトップとハーフパンツに着替えて、山本にお前も浴びるかと言おうとした、ら。
何故か、あいつは顔を真っ赤にしていて。気まずそうに視線をさ迷わせた。
「ほら、こないだ、10年バズーカで入れ替わったとき」
こないだ、未来の山本が俺をからかいに来たときか。
ちいさいだの細いだの、腹の立つ。
「言われたんだよ」
未来の獄寺に。
山本につられて俺まで赤くなる。
俺が?
ふざけんなよ、そんなはずない。
俺がそんなふざけたこと言うはず、ない。
『お前、俺のこといつから好きになるっけ?』
その男はどんな顔で山本に囁いたのだろう。どんな風に、どんな距離で。
なんて確信的な、いやらしい台詞。
「俺、なんのことか分かんなかったんだけど」
更に言葉を募ろうとした山本に、俺はタオルを投げつけた。
聞きたくない。聞きたくなくて。
自分の顔が赤いことも、見なかったことにした。
ういういしいなー…
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