07/20の日記
20:16
これも一つのlovesong
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見守ることは酷く難しい
斬れない、と。
山本は言う。
こいつらしからぬ表情を顔に貼りつけて、涙を流し、絶望と苦悩と怯えを露にして。
精悍な普段の姿など想像も出来ない、病人か死人のような形相で。
「な、あ…ごくでら」
斬れないんだよ。
目の前に横たわるヒトだったものをから視線を逸らさないまま。
それは、その生を奪った俺を責めているふうでもある。
山本が選んだこの場所が正しいなんて、思ったことはない。それは俺が決めることじゃない。
ただ俺は見守ると決めたのだ。その終着を。
「…立て、バカ」
野球バカ、とは言わない。選ばなかったから。
山本は呆然と視線をあげる。
胸が痛まないかと言えば嘘になる。ただしそれは仕方のないことだ。
山本、お前はどうする。
選んだ場所を地獄と嘆くか、それでもいいと前を向くか。
俺を理由にしてもいい。けど。
決して、赤子のように守ってはやらない。
なぜなら俺は。
お前を愛してるから。
「立たないならそのまま野垂れ死ね」
そして二度と帰ってくるな。
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