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□短的で淡的で嘆的な彼のこと
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あぁもう嫌になっちゃう。

なんでわざわざ高倍率のところに参加しちゃうのかしら?
もっと他を狙えば、私だったら、

私だったら軽々クリアできるのに!!





今日も科学班は死の一歩手間の状況だった。もしかすると私たちエクソシストより危ない職場…だったりしてね。
「みんな大丈夫?コーヒーいれてくるからそれ飲んで元気出して!!」
微かに返事がかえってくる。これは、本当にヤバいかも…。こんなに衰弱してるのはAKUMAが大量発生して3日間不眠不休で戦い続けたとき以来だ。


とりあえず今私ができるのは美味しいコーヒーをいれること。でも少しくらい活力剤を混入した方がいいかしら?と考えていると、ばったり神田にあった。

「神田!!今日非番なんだ。久しぶりだね」気になっている人に会ったら多少浮かれてしまうのは当然だと思う。
「お前こそ科学班の手伝いか?大変だな」


意外と神田は優しい。たまにキツいことも言うけど…それだって彼なりの信念に基づいた物だ。
私、この人が好きでよかったな。そう思える、幸せ。


「暇だから手伝ってやる。お前一人だけで科学班みんなの分持って行くの辛いだろ」


本当に嬉しかった。神田と一緒に時間を過ごせるなんて!!
ここまではよかったんだ。問題は…コーヒーを科学班に持って行ってから!!



「ありがとな、神田。いつも感謝してるよ。今度ゆっくり話そうぜ」
「神田がいれてくれたコーヒーは特別だなぁ」
「なんか神田がいてくれるだけで元気になれるよ」
「やる気が出るっていうか…なにげに癒し系なんだよな」






何よッ!!!!さっきの屍の集団みたいだったのは何処いったのよッ!!しかもコーヒーいれたのは私よ、私ッ!!

まったく教団のアイドル神田が来たからっていいとこ見せようとして!!神田びっくりしておどおどしてるじゃない!!



やっぱり倍率高いわ。他にも今任務に出てる二人組もいるし、元帥達も要注意だし、実の兄も気が抜けないわ!!


だけど、私だって伊達に女やってないわ。もっともっと可愛くなる!!女の子の力は誰をも圧倒する絶対的なものなんだから!!




恋は戦い。
あたしは負けない。笑顔を武器に、あなたを振り向かせてみせる!!!!

覚悟してね、神田ユウ!!

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