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□午後五時に恋をした
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眠い〜眠い〜眠い〜…。
お腹すいた〜お腹すいた〜お腹すいた〜…。
アレン・ウォーカーは今人間の三大欲求の食欲と睡眠欲と戦っていた。(性欲はお年頃なのでそれなりに)

2日がかりの任務がやっと終了した。任務先が何もないような荒野だった上に季節は冬。野宿はできない。(したら死ぬし★)
急だったのでサポートは付いていなくての単独任務。携帯食料はすぐ底をついた。



目が回る…!!こんな極限状態初めてかもッ…!!!!何これ労働基準法違反じゃない!?っていうか僕まだ未成年だし深夜の労働は禁止されてるよね?2日ぶっ続けって!!
とりあえず何かお腹にいれてから寝る!!もう爆睡してやる!!と硬く誓いながら食堂に向かう。


時刻は午後五時。まだ人影もまばらだ。

通常より二倍の量のオーダーを済ませ席を探していると(全部置けるスペースがない!!)神田ユウに出会った。


天婦羅蕎麦を食す彼の周囲には空いている空間。

ちょっと神田のことが気になっているアレンは(いや、好きとかじゃないですから。気になる程度です)迷わず向かいに座った。

神田はちらと前に陣どるアレンを見て言う。
「お前薄汚い。なんだよその恰好。しかも食い過ぎだ馬鹿」
「お疲れさまの一言もないんですか思いやりの心と言葉使いをジェリーさんに教わった方がいいですよ」
ふん、と神田はそっぽをむく。
「てめぇにんなこと言うかよ。言うとしたらな」
目の前にどんっと湯飲みにはいった緑茶が置かれる。

「もっとタフになれよ、似非紳士」

ニヤリと笑って席を立つ。食べ終わったら食堂に用はない。



去って行く後ろ姿。今の結構意味深な発言だって自分でわかってるんだろうか。「頑張れ」と言ってるように聞こえる。お茶くれたし。


まぁでも今の一言で僕の中で神田の位置づけは変わっちゃいましたけどね。可愛いとこあるじゃないですか。好きになりそうです。もうなってるかもしれない。



疲労はどこかへ消えて口に含んだ緑茶からは特別な甘い味がした。

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