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□フラッシュ・イン・ザ・ダーク
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華やかさは一瞬で。
光は激しい燃焼で強くなる。
細くだなんて馬鹿らしい。
「ユウがいないーーー!!!!」
ノアの屋敷に響きわたる少女の声。通りのよいソプラノは部屋の隅々まで聞こえて居合わせたジャスデビはまたか、と嘆息した。
「どうせとっかえひっかえ服をきせてファッションショーやったんだろ?」
「ヒヒヒッ神田はそういうのに全く興味ないからね」
「なんでぇ!?ちょっとくらい我慢してくれればいいのに…まだ十着しか着てないよぉ」
かなり我慢した方だと思う、とは賢明な双子は言わなかった。
「あんなに可愛いとついつい苛めたくなっちゃってぇ…嫌って言ってるのを強引に脱がせたり着せたりする時すっごいイイ顔するんだよぉ」
ロードさんSだね!!でも神田のその顔心の底から見てみたいよ!!とも言わなかった。
「今回なんて特に嫌がってぇ、なんと「ロードォォォーーーッ!!!!」」
扉を勢いよく開けてティキ・ミックが飛び込んできた。左頬がありえないくらい腫れて痣になっている。
「なぁにティッキー。見苦しいよ?」
「ユウがっ…あのユウが…ミ…ミニスカートをはいてたッ!!!!」
「可愛いでしょぉ?勿論絶対領域もばっちりだよぉ」
「可愛すぎて鼻血でるかと思った」
「いやもう大量に出てるけど」
「お、いたのか双子。うわぁ顔面血だらけだし」
「ヒヒッ、で、ちょっかいかけようとして殴られたんだ?」
「そうだよ…ただちょっと白い足を触ろうとしただけなのに…」
「どこの中年オヤジだッ!!ユウに気安く触んなよッ!!」
「あれぇ?なんでそこでデビットがキレるのぉ?」
「………」
「デビーットーー?」
「…………………」
「てめぇのせいだからな」
「知るかよ。自業自得だろ」
二時間もロードとティキの執拗な尋問を受けたデビットはかなり疲労がたまっていた。
一方問題の中心人物はぬくぬくと使われていない客室で寝ていたのだった。
「あの二人マジ怖ぇ…がんばって否定し続けたけどバレた日には確実に消されるな」
「お前ら双子が売りなのに一人になっちまったらとりえがなくなるじゃねぇか」
「キャラ設定優先ですか…」
「なんかいったか?」
わかってる癖にわざと笑う。皮肉な笑みでさえ強力な力があるってこと理解してるんだかしてないんだか。
「ま、その時はその時だな。派手になりそうじゃん」
「派手なのはお前の得意分野だろ…デビット」
刹那の輝きと暗闇が好きだ。
未来はわからない。
今を生きる。