ゲーム系SS
□Magi Knight
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昼は生の時間。
夜は死の時間。
目指すのは魔法。
扉を開けて、扉を潜り。
根源の渦へ。
何もかもがあって、何もかもがない『 』へ。
師と弟子の関係であり、また恋人という関係である彼女達は、剣士を連れてその部屋を後にした。
ようやく慣れ、居心地良くしようと奮闘してきた部屋ともしばらくお別れ。
師である少女が傍らの弟子に視線を送ると、それに気付いた弟子である少年は晴れやかな笑みを少女に向けた。
一気に赤くなった少女は乱暴に廊下を歩いて行き、少年と剣士はそれを追う。
目指すは、第二の時計塔。
長めの黒髪に紫紺の瞳の青年は、空を見上げた。
背の高いビルに切り取られた狭い空。
かつて、ここで空を見上げた時、ここは夜だった。
かつて、ここで空を見上げた時、見えたのは青い空と白い雲ではなく、濃い闇と満月と女の子だった。
未だ再会は果たされない。
昼が去り、人の時間は終わりを告げ。
魔術の夜が始まる。
そして、朝を待ち焦がれる。