書籍系SS
□そっとマのつく独り言
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ずっとあなたを待っていた。
我が主、バシリオが身罷り、眞王の下に戻ってからこれまで約千年間ずっと。
ずっとあなたを待っていた。
我が仕える新しい王よ。
我を手に取る運命にある、もっとも若き王よ。
ああ、こんなに遠く離れていても、あなたの誕生を感じとれる。
ご生誕おめでとうございます、我が主。
さあ眞王よ、我の主が遂に産まれた。
我はあの世界に帰還する。
今は異界に居られる、我が主が還るべき世界へ。
主は我を手に入れ、我が力を捨て去り、我をただの物質へと変え、我を破滅させるだろう事は解っているが。
それでもお傍に。
一番お傍に。
それが我の存在意義。
我が存在理由。
我が望み。
時期魔王陛下シブヤ･ユーリ。
我がただの鋼の塊に成り果てようとも、我は魔王の忠実な僕でありつづける。
地球でユーリが産声を上げたのと同時刻……
ヴァン･ダー･ヴィーアの山の一つに赤い光が落ちた。
我が名はウィレム･デュソイエ･イーライ･ド･モルギフ。
魔王だけが操れる、史上最強の魔剣である。
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