頂き物・捧げ物SS

□ライナ・リュートの休日
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   ライナ・リュートの休日


真っ暗な部屋。
特に物がない、部屋の中央で一人の男が眠っていた。

名前はライナ・リュート。

いつもならば眼が眠そうだとか、黒い髪の毛に寝癖がついているだとか、そんな
説明ができたのだが、本当に眠っているためできない。



「んん〜もう寝れない〜……幸せ…」



寝言が眠りについて、ということは夢の中でも眠っているのだろうか?


部屋は混沌とした闇に包まれている。
……灯りの必要がないからだ。どうせ眠るのに灯りなど要らない。

静かな室内には彼の寝息しか聞こえない。



……が、



足音が二つ、聞こえてくる。






「ライナ、遊びにいかない?」




何故か息を切らせて部屋に入りこんで来たのは赤毛の少女。キファだった。
キファは手に二枚のチケットらしきものを持ち、誇らしげにライナに向ける。しかしライナは眠ったままだ。



「起きなさああああいいいいい!!!!」

「んが、……ぐぅ……」

「一瞬起きても駄目!!起きなさい!!」



何故か凄い勢いでライナを揺さぶるキファ。しかしライナはまったく起きようと
しない。どこまで寝汚いのか。

そうしている間にももう一つの足音が近づいてくる。





「ライナは俺の仕事を手伝いたいんだよな?」





現れたのは長い銀髪をした男、シオン。
ニッコリと人の良い笑みを浮かべて書類の束を見せる。



「違うの、私と出かけるのよ!!」

「いや、ライナは俺の仕事を手伝いたくて仕方がなくて、昨日なんて『頼むから
俺にシオン様の仕事を手伝わせてください』って…」

「あれはお前が脅したからだろうが!!!」




いつの間にかライナも起きて戦いに参加している。




「ライナ、出かけない?」

「かったるいからヤだ。俺寝なきゃならないの」

「ライナ、仕事しないと死にそうなんだって?」

「んなこと思ったこともない。大体自分でやれよ」




そんなことより何よりも寝たいライナは二人を冷たくあしらうと布団を頭まで被
った。




「そうか……そんなに嫌か………じゃあキファに話していいのかな?お前がこの
間…」


「うわああぁぁぁっ!!!仕事やらせてくださいシオン様っ!!」

「ライナ何したの?」

「それはだなあ、…」

「言うなああぁぁぁぁ!!!」




何を知っているのか、そんなことはシオンしか知らない。





結局色々あった結果、三人で仲良く仕事をする姿があったとか。




「うう……俺は寝たいだけなのに」

「あと70時間も休憩せずにやれば好きなだけ寝ていいぞ。あ、キファはあと1時間
だけど」

「差別だ…」

「キファは女の子だから、徹夜は肌に悪いだろ?」

「あ〜俺本当は女だから寝ていい?」

「見えすいた嘘吐くとバラすけどいいのか?」

「……頑張ります」



こうしてライナ・リュートの休日は幕を閉じるのであった。





「シオンいつか殺す……」





―END―




唐突なキリリクに答えてくださってありがとうございます!!

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