*Dream*
□貴方にあげる私の権利
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欲張りすぎて、大事な笑顔をなくしてしまった。
練習練習の毎日ですっかり未練もたちきれたと思っていたのに。
きっとこんなにも思い出してしまうのは、今日が俺の誕生日だからだろうか。
朝一に家族に祝われて、昨日の夜とかに届いてたメールに祝われて、点々とクラスメートに祝われて。
篠岡に祝われたときはビビった。
野球部の奴等だって知らないのに、何者だ。
16歳という大事な時期を野球につぎこんでいる割には沢山の人達から祝われて、大殊勲。
すげぇすげぇなんて考えながら、開いてしまう携帯。
嗚呼、悲しいな
「連絡、こねぇなぁ…」
当たり前だ。
そんなの、わかってるのに。
欝々とした気分で携帯をひらいてはため息をついた。
人生最悪な誕生日かもしれない。
練習も何だか気がのらなくてモモカンに睨まれたけど、何故か怒らンなかった。
これも誕生日パワーか。
いつも通りに皆でグダグダしゃべりながら帰って、なんとなく元気がでてきた気はするんだけど。
今日に限ってやたらと存在感のある携帯に手をのばしたくなる度に、後悔とかが一気におしよせて痛かった。
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