恋のステップアップ

□恋をしてみよう
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先を歩く山ちゃんにひたすら俺の恋愛感を語る。
一回振り返りざまに「あまったれんなぁ!」って蹴られたけど気にしない。


「いやだからさー告白とかもさ、運命的じゃないと」

「…へぇ」

「例えばだよ」


踏み込む足に力をこめて、一息。


「例えば、例えば!


舞い落ちる桜、

彼女はまだ新入生

ピンクの頬を更に赤にさせて走る廊下

曲がり門でぶつかる先輩

あ、すみません!

こっちこそごめん!

怪我はないですか?

大丈夫…あ、君、膝がよごれちゃってるよ

あ、本当だ…

よかったらこのハンカチつかって

でも…

いいから。じゃ、気をつけてね!

…!(名前、聞き忘れちゃった)


彼女はしらない、握りしめたハンカチにY.Mという文字が刻まれていることも、この出会いが彼女の運命をかえることになることも…


的なさ!!」

「本やん、本山くんよく考えて。今の時期どう間違えても桜は咲かない、廊下ははしっちゃいけません、どう頑張ったって君のハンカチにイニシャルなんて入ってない」


山ちゃんが異様に早足になった。
え、何これ避けられてる感じ?
先の曲がり門を山ちゃんが曲がっていくのをみて焦りながら多少歩幅をおおきくして後をおった、





ら。





曲がった先に、驚いた顔。


それは歩くというには早すぎるスピードでこちらにむかってきているからしてこれ完全にアウトだなーと俺は何故か冷静に考えた。

次の瞬間、伝わる衝撃。

キャ、と可愛い悲鳴。

ふらついた足にひっぱられ俺の尻は床とお友達。



「…っ、」

衝撃に閉じた目を慌て開けば、俺はいかんものをみてしまう。



「…エンジェル」



ふわりと少しまかれた柔らかい髪はツインテール。

すらりとのびる足はとても綺麗なのに、身体はどこか幼さを残していて。



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