†読みきり小説†

□燈s思議(すけべ)な国の裕二
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ある日裕二は森にスケッチに行きました。
「わぁ、キレイな景色。さぁ美術の課題、頑張るぞ!!」
裕二は川べりに腰を下ろすと、スケッチブックを開き絵を書き始めました。

― どれくらい時間が経ったでしょう。
裕二がふと川の向こうを見ると一人の少女がウロウロしていました。
「あっ、鈴ちゃ…」
言いかけた裕二の動きが止まります。
鈴は頭に『うさ耳』、お尻には『うさ尻尾』を付けていました。 そして何やらブツブツ言っているのです。
裕二は目の前の掛け橋を渡り、そーっと鈴に近づきました。
「あー大変、遅刻っ!榊のバカに怒られちゃう!!」
鈴は時計を見ながらそう言うと森の奥へと駆け出します。
「あっ、鈴ちゃん待って!!」
裕二は慌てて追い掛けますが、鈴はどんどん奥へと入っていきます。
やがて鈴は大きな穴に飛び込んでしまいました。
「えっ、鈴ちゃ…ん…」
ポッカリ開いた穴を覗いて足をすくませる裕二。しかし裕二は勇気を出して穴に飛び込みました。
「えいっ…って、うわぁぁぁぁ!!」
その穴は下へ下へと伸びていて、裕二はどんどん落ちて行きます。
(わ〜ん、俺どうなっちゃうの!?まさか死んじゃうんじゃ…!!)
裕二が半泣きになった時、不意に目の前が明るくなりました。
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