†読みきり小説†

□燈s思議(すけべ)な国の裕二
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(な、なんか知らないけど助かったみたいだ…っと、鈴ちゃんは?)
そう思った裕二の目の前に大きな家が…
「うわぁ、お菓子のお家だ。美味しそうだなぁ!!」
裕二が家に駆け寄ります
「わぁ、本当にお菓子だ!屋根はビスケット、壁はカステラ、ドアはチョコレート。おまけに窓はキャンディだ!!」
大きな瞳をキラキラ輝かせながら裕二は家を見回ります。
「あっ、エビフライだ!!」
裕二が思わず叫びます。キャンディの窓から覗いた家の中に、何故か山積みのエビフライが置いてあります
「美味しそうなエビフライだなぁ…」
そう呟いた時、裕二のお腹がグ〜と鳴りました。
「少し分けて貰えないかなぁ…」
裕二はエビフライを分けて貰おうとドアを叩きます。しかし誰も出て来ません
「こんにちは、誰かいませんか?あの…」
裕二がドアノブを廻すとドアは簡単に開きました
「あ、あの…お邪魔します…」
裕二は呟くと中に入って行きました。
と、そんな裕二を木陰から見つめる人物が…
「しめしめ…今日の獲物は上玉だな。たっぷり可愛がってやるぜっ…」
愛らしい裕二の姿に舌舐めずりする人物…
それはこのお菓子の家の持ち主の荒木でした。
荒木はお菓子の家で人を誘惑しては、飲食代として莫大な値を吹っかけて金を巻き上げる悪徳商売人だったのです
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