†REBIRTH〜再生〜†

□衝撃
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やがて校門から中に入ると二人は靴を履き替える。上履きを履くと浩二は一番上の自分の下駄箱に靴を入れる。それから一番下の隅の下駄箱に体を移すと和則に見つからない様にそれを開ける。その中には小さな靴が入っていた。
(今日も来てるんだな、早瀬…)
浩二は小さく微笑むと下駄箱を閉める。いつの間にか、毎朝裕二の下駄箱を開けるのが浩二の日課になっていた。
「浩二、早く教室に行こう!」
少し離れた所で和則が 言った。
「あぁ、今行くよ。」
浩二が慌てて駆け寄り、二人は階段を登る。教室のある3階まで上がり廊下を歩いていると向こうから俊が走り込んできた
「おはよう俊。」
二人が声を揃えて言う。しかし俊はそれには答えずこう言った。
「おはよう処じゃねえよ、浩二…教室で言い争ってんだよっ!!」
「えっ…言い争ってるって誰と誰が?」
和則が尋ねる。すると俊が言った。
「稲本と…早瀬だよっ!!」
「早瀬が…まさか!」
浩二が驚く。すると俊が言う。
「まぁ言い争ってるって言っても、要は稲本が怒鳴ってるって言った方が正しいんだけどな…」
その言葉に浩二が俊に掴みかかる。
「それで早瀬は…早瀬はどうしてるんだよっ!?」
「どうしてるって、いつもの通り黙って下向いてるだけ…」
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