†秘密遊戯†

□黒い友情
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「学校なんか行きたくないな…」
横山裕二は独りつぶやいた。裕二はとある高校に入学したばかり。今日は入学式だった。足取りは重い…。
裕二は学校が嫌いだった。なぜならヒドイ『人見知り』をする性格の為、今まで友達が出来た事がない。小学生の頃は虐められた事もあった。そんな経験がある為、裕二は益々孤独になってしまっていた。
「やっぱ帰ろうかな…」
下駄箱で一人考えていたその時だった。
「おはよう。」
背後から声がした。えっ?と思い振り向くと、一人の少年が立っていた。裕二より少し背が高い。優しい笑顔で彼はまた言った。
「おはよう。」
裕二はきょとんとしてしたが、我に返った。
「…あ、あぁ。おはよ…」
「お前も一年生だろ?」
少年は笑顔で話しかける。
「…そうだけど。」
「早く教室に行こうぜ。同じクラスだといいな。じゃ!」
少年は裕二の肩をポンと叩くと、軽い足取りで階段を昇って行った。
見ず知らずの自分に声かけるなんて、ヘンな奴!裕二はそう思い溜息をついた。
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