†秘密遊戯†

□小さな訪問者
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「今日もいい天気だなぁ…」
裕二はカーテンを開けると外を眺める。
「…外、暑そうだなぁ。今日から8月だもんな…」裕二はそう言うと、部屋の隅に行く。カゴを覗くと、裕二に気付いたのか小屋の中からハムスターが出てくる。
「おはよう、こうじ。」
裕二はハムスターにそう声を掛ける。裕二はハムスターに『こうじ』と名付けていた。色々名前を考えたのだがなかなか決まらず、考えたあげく‘くれ主’である浩二の名前を貰う事にした。
(同じ名前だけど、この子はひらがなで『こうじ』だからな…浩二とは違うんだ。)
裕二は訳の分からない言い訳を心の中ですると、ハムスターのカゴの間から指を入れる。ハムスターは裕二の指を見つけると、優しく噛み始めた。
「あはは…こうじ、お前腹減ってんのか?ひまわりあるじゃないか。」
裕二はハムスターに話しかける。ハムスターは裕二の指にじゃれついている。
「分かった、分かった…じゃ、おやつあげるよ!」
裕二は笑いながらそう言うと、小さな缶を取り出す。その中の袋からハムスター用のお菓子を出すと、ハムスターに見せる。
「ほら、こうじ。」
それを差し出すと、ハムスターは裕二の手からお菓子を取り食べだした。
「可愛い食べ方だな、お前。」
裕二は優しい顔でハムスターを見つめていた。
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