†秘密遊戯†

□友となる日
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2学期を向かえ半月が過ぎていた。
裕二達の学校も体育祭を控え慌ただしくなっていた。
「で、では体育祭の出場メンバーはこの様になりましたので…」
上村がそう言いかけた時終業のチャイムが鳴った。
「じゃあそういう事で…皆頑張る様にな。」
担任が言い4時間目が終了する。
生徒達はそれぞれ昼休みの準備に取り掛かる。
「腹減ったなぁ!和則、早く飯食おうぜ!」
「そうだな。」
俊に笑顔を向けると、和則は裕二を見る。
裕二はまだ自席に座っていた。
「お〜い横山、飯食おう!」
和則が呼ぶと裕二が気付く。
「裕ちゃん、飯だぜぇ!」
俊がそう言い手招きした
「あっ、うん…」
裕二は二人に笑顔を向けると隣の席の浩二を見る。
浩二は雑誌を読んでいた。

…あの事があってから裕二は浩二と話さなくなっていた。
和則と俊も裕二には仲良くしてくれるのだが、浩二とは全く話さない…浩二は一人きりになっていた。
裕二はそれが辛かった。今まで友達も出来ず独りぼっちだった裕二は、一人きりの淋しさを嫌と言う程知っていた。
それ故、浩二が仲間外れになっているのを見る度に裕二の胸は痛んでいた。

(よし、今日こそは言おう!一緒に昼飯食べようって…)
裕二は自分に言うと浩二の方に向いた。
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