†秘密遊戯†

□イヴの天使
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浩二に『愛している』と告白されてから、裕二は浩二を避けていた。登下校も別々になり、校内でもお互い口を聞く事も無く毎日が過ぎて行く。
―裕二は辛かった。せっかく浩二と心が通じ合い友達になれたと思った矢先、またこんな事になってしまって…
しかし今日こそは…そう思っていても、いざ浩二の姿を見ると視線を反らし話す事さえ出来なかった。
(俺、自分で自分が分からない…どうして浩二を避けてしまうのか…)
裕二は毎日悩み続けていた。しかし期末試験を間近に控え、裕二は悩んでばかりもいられず試験勉強をする。結局浩二と話せないまま、裕二は試験を迎える事となった。

(今日で期末試験が終わる…)
最終試験日の朝、裕二は電車の中でホッと溜息をつく。試験は4日間…3日間は何とか頑張れた。今日の試験さえクリア出来れば…
裕二はラッシュの電車の中で数学の教科書を開く。昨夜勉強した所を復習しておこうと教科書を読み始めた時だった。人混みに紛れて、誰かが裕二の身体を押した。裕二は勢いで電車のドアに押し付けられる。
(な、何・・・・・?)
そう思い慌てて振り向こうとする裕二の耳元で知らない誰かが囁いた。
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