†REBIRTH〜再生〜†

□出逢い
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「おはよう!」
須藤浩二はリビングに行くと家族に挨拶をした。今日は月曜日、また学校が始まる。
「浩二さん、朝食は?」
母が尋ねる。
「今朝はいいや…じゃあ行ってきます!」
家族に笑顔を向けると、浩二は家を出る。
向かう先は勿論学校…
浩二はある進学男子校の2年生。持ち前の明るい性格でクラスのムードメーカー、家庭も円満だ。専業主婦で茶道の家元でもある母親と中学3年になる妹、それに多くの会社を経営し海外を飛び回っている父親。浩二は何不自由ない生活を送っていた。
電車通学の浩二は最寄の駅まで来る。すると一人の少年が駆け寄ってきた。友人の本宮和則だ。
「おはよう、浩二!」
「おはよう、和則!」
二人は挨拶を交わすと改札を通る。そしてホームで立ち止まる。
「今日もいい天気だなぁ」
和則が空を見上げる。
「そうだな…」
和則に返事をすると浩二は周りを見渡す。
(相変わらず混雑してんな、この時間帯…ラッシュの電車に乗るだけで疲れるよ…)
思わず溜息をつく。すると和則が顔を覗き込む。
「どうしたんだ浩二、溜息なんかついて…」
「いや、相変わらず混んでると思うとさ、つい…」
「分かるよその気持ち…毎日ウンザリだよなぁ」
和則も溜息をつく。すると電車がやってきた。
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