†REBIRTH〜再生〜†

□決心
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長い夏休みがやってきた。学生達は皆楽しみな夏休み…しかし浩二はあれ以来すっかり元気を無くしていた。

裕二のあの姿を見て以来…

あの次の日、浩二は鈴と白い花の墓を作った。鈴は泣きながら花を庭の片隅に埋めた。
「お兄ちゃんのお友達が死んじゃった…」
そう呟きながら。

(そうさ、早瀬は…俺の大事な早瀬はもう居ない…居なくなっちまったんだっ…)
浩二は自室のベッドに顔を埋める。
試験休みが終わり正式な夏休みに入った日、浩二は部活を辞めた。中学の時から親友の本宮和則と一緒に頑張ってきた大好きだったバスケットボール…しかし今の浩二には、もう何も楽しみなど無かった。夢も希望も…

汚された裕二を…汚された事を

  『慣れてるから』

と平気で言った裕二を見てしまった日から、浩二は抜け殻の様に毎日自室でボーッと過ごしていた。
「浩二さん、どうしたのかしら…まさか引きこもりなんかじゃ…」
母は別人の様に暗くなった息子を心配する。
「お兄ちゃんは今、辛い事があるの…そっとしておいたげて。」
鈴はそう言って母親を慰めていた。そんなある夜の事だった。浩二が相変わらずボーッとしていると庭にいる飼い犬が鳴き始める。
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