†REBIRTH〜再生〜†

□妖艶
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「行ってきます!」
浩二は家族に笑顔で言うと自宅から駆け出す。今日から2学期が始まる。
「良かったわ、浩二さんが元気になって…」
母は明るさを取り戻した息子の姿に涙する。
(お兄ちゃん、きっとあのお花の人とお友達になれたんだ…良かったね!)
妹の鈴は浩二の笑顔を見て、自分の事の様に喜んでいた。

浩二はひたすら走っていた。いつも和則と待ち合わせしている駅に向かって…
「おーい、浩二!!」
駅に着くと和則が変わらぬ笑顔を向けた。
「和則久しぶり!元気だったか?」
「お前こそ、急に部活辞めて…心配したんだぞ!」
「…ゴメンな、和則に黙って辞めて…」
浩二が俯く。
「そんな止めろよ、水くさい…俺は浩二が元気なだけでいいんだから!」
和則は笑顔で言うと浩二の肩を叩いた。
「和則…」
「さぁ、もうすぐ電車が来るから中に入ろう!」
和則が手を引っ張りかけた。
「ちょっと待ってくれ!」
浩二が和則の腕を掴む。
「…どうしたんだ浩二、誰待ってんだ?俊なら朝練の筈だよ。」
「いや、実は…」
浩二が言いかけた時だった。
「…おは…よ。」
背後から聞こえた小さな声に二人が振り返る。その途端、浩二の顔は笑みで満たされ和則は「えっ!?」と声を上げていた。
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