NOVEL

□第4話
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「………っん……?」


ここ……


どこだ。




ボーっとした頭の中、辺りを見回してみる。


あれ、……俺の部屋か。



……でも俺、どうして寝てるんだ?



……あぁ、そうだ。
日崎にいきなりキスされて、ぶっ倒れたんだっけ。


そうだよ、そんなことがあったんだった。



ん?




………日崎?





………キス?



そこで、俺の思考回路は停止した。


「ああぁ!!」


ガバッッ!!


頭がズキズキする。
いきなり起き上がったからかな。



でも俺は、寝てる暇なんて……。



……あれ?




起き上がってみて気付いた。

俺の寝ていた横にいたのは予想外の人物で………









「………藍田?」


「やっと気が付いたみたいだな。」

藍田は、続けて俺に言った。


「お前、顔真っ赤にして倒れてたもんだからビックリしたよ。」


あきれた顔で言う藍田。


申し訳ない気持ちでいっぱいだよ……


藍田には、たくさん迷惑をかけちゃったし。
日崎の、さっきのあの発言。


それに、倒れた俺のお世話までさせちゃって……



「………迷惑かけて、ごめん。」


「何いってんだよ。安堂らしくねーぞ!
俺は、昔っからお節介ばっかやく奴だからな。気にすんなよ。」



なんで、こんなに人の事を考えてくれるんだ。

………日崎とは真逆。


「それにな、お前、すっげー熱なんだぞ?
たぶん、疲労からきてる。」



え?

ひ、疲労!?


「俺、疲れてなんかっ………」


「俺を甘く見んなよ。一応、医者の見習いってとこだからな!」



………そうでした。


藍田の親父さんは、医者だったんでした。



そこまで考えていたとこで、俺はあることを思い出した。



「ひ、日崎は!?あのふざけた男、どこ行ったか知ってるか!?」


藍田は、目を丸くして驚いている。


「日崎って……。さっき、俺に紹介した日崎君?」


「そ、そうそう!」


しばらく考え込んでから、藍田は話し始めた。

「俺が倒れて安堂を見つけた時は、いたよ。すっげー困ってたな。」


「そ、それで!?」


「なんか、『奏音を頼む』って言って走ってどっか行っちまったんだよ。それっきり、まだ帰ってきてない。」


………な、なんで。
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