NOVEL

□第1話
2ページ/6ページ



「そういや、奏音。お前にはまだ、話してなかったっけな!!」


「………?」


「お前、俺の友達でアメリカにいる日崎って覚えてるだろ?」


………ひざき?

……あ。


「あの、よく文通してた?」

「そうそう!お前の可愛くうつった写真送った時もあったよ!!」


「は!?そんなの聞いてねぇぞ!!」


「…ま、まぁまぁそれは置いといて。
実はな、その日崎の息子が1人暮らしするために日本に来てるそうだ。
だけど、なかなか住む場所が見つかんないんで日崎が俺に頼ってきたってわけよ。
まぁ、友達の頼みだから断れないし…
その子がまた、息子のようにかわいくてかわいくて………
って奏音!!聞いてんのか!?」




……おっちゃんの長ったらしい話は途中からなんも聞いてないが、つまり簡単に言うと。


「誰かが引っ越してくるってこと?」


「そのとおり!!じゃぁ、奏音!!せっかく早く起きたんだし、引っ越しの手伝いしてくれ!!」



「……えぇぇぇぇ!?」

「えーじゃない!!」




……あーぁ、早く起きるんじゃなかった。






ーーーーー
「………っっよいしょ!!」


ドサッッッ!!!



大きな段ボールを下におろす。

俺は、新しく人が引っ越してくる部屋にひたすら荷物を運んでいた。


………しっかし、運んでくるものは洋風のインテリアや高級そうな物ばっか。




さすが、アメリカ育ち!!

さすが、金持ち(らしい)!!



「おとなしくアメリカで暮らしてたらいいのに………。
自立しに日本に来るなんて、よっぽど真面目な人なんだな。」



………よし!!もうひと頑張りだ!!



俺は、荷物を取りに行こうとドアノブに手を掛けた………

その時だった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ