■メモ小説1■

□待ち合わせ
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「先生、買い物してきますけど、何かいりますか?」
看護婦が診察室にひょっこり顔だけ出しながら声をかけた。
「あぁ、もう午前の診察は終わりましたか。」
命が立ち上がりながら時計を見て、少し思案する。

「…特に欲しいものはないですけど、冷蔵庫にあるプリン。頂いていいですかね?」
「いいですよ〜。先生、プリン好きなんですか?」
看護婦が少し笑った。
「えぇ。好きなんですよ。『先生』がね。」
命も微笑み返す。
「?変な先生。…まぁいっか。じゃあいってきます。」
看護婦のパタパタと廊下を走る音を聞きながら命はプリンを袋に入れた。

「さて、と。」
少しのびをしてから、白衣の上にコートをはおって、命も外へでた。
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