無期限で君を下さい
□05
1ページ/1ページ
今朝、珍しく早く起きれて珍しく早く学校へ着いた。教室一番乗りだ!とルンルン気分で教室のドアを開けて待ち受けていたのは、隣の席でつい昨日仲良くなった切原君でした。ただし、死んでいるというオプション付きで。正確には暗い雰囲気を出し机に突っ伏している状態だけれど
「……」
「…おはよう切原君。早いね。」
「……」
恐る恐る声をかけてみたが反応がない。ちょっと寂しいと思いつつ、ずっと入り口の方にいても仕方がないので、切原君の隣…自分の席へ向かう。鞄を机に置き隣を見てみる。さっきと何も変わらない状態だ。…何だか気まずい。気まず過ぎる
「切原君ー…?」
「……」
返事がないただのワカメのようだ
「これ以上無視するようならお前の頭にあるワカメをむしって味噌汁にすんぞゴルァ」
などと頭の中で毒づきながら、そんな事を気づかれないように笑顔で再び切原君に話しかけた。
「昨日部活で何かあったの?」
ピクリと切原君が反応して私を見る
(お?)
「……誰がワカメだ」
「………またやっちまたか。」
心の中で呟いたはずの言葉はまた口に出していたらしい。
前にもやったな…
「あー…、いや、ほらただの例えだから。決して切原君の頭がワカメみたいだとか思ってるわけじゃないから」
「………………」
再び黙りこくって机に突っ伏す切原君
嫌な沈黙
気 ま ず い
「あー…ごめん。本心じゃないから。ただの冗談だからね…?」
段々と声が小さくなってしまうのは仕方がないことだと思う
「いや、まぁ、それよりもさ昨日部活で何かあったんでしょ?」
私の憶測にしか過ぎないけれど、さっきの切原君の反応からするに部活で何かあったんだろう
「…っ…聞いてくれよ!!」
「…おー」
どうやらその憶測は当たったようでさっきまでの沈黙が嘘のように切原君はどんどん話しだす。話題変更に成功した、よし!何て思っていないよ。
***
「切原君って大物だよね」
「んぁ?」
「いや、何でもない」
切原君の話の内容はこうだ、あの後急いで部活に向かったはいいが部室の場所が分からなく、近くを通った銀髪の先輩に場所を聞き、その通りに急いで向かえばそこは生徒会室だった。つまりは銀髪の先輩に騙された訳だ。
生徒会室に居た眼鏡の先輩が部室の場所を教えてくれて今度こそ無事についたらしい。そこで、銀髪の先輩を探すが見つからず、いきなり現れた赤髪の先輩から入部届けを貰った。その隣にはスキンヘッドの人も居たとか
それで…なんだっけ…えー、切原君が"スーパールーキー"とか"噂の切原とは俺のことッス!"と先輩に向かって豪語したら赤髪の先輩に笑われ、スキンヘッドの先輩は華麗にスルーし、冷静に切原君に指示を出したらしい
『入部届けを出すのは後でいい。さっさとウェアに着替えて素振りに合流しろ』と
それに切原君は納得がいかなく反発した
ーーーー
長くなりそうなので一旦区切ります