とれじゃーぼっくす

□ ・かんな様より・
 『君との日々』西園寺雅季
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「夜ごと その身を変える月に愛を誓うなんて…
なんと、不誠実な事なんでしょう。


うふふ…でも正直な男性。わたくし、嫌いじゃないわ。」


彼女は、妖艶に微笑み…男の首に その細い手を絡めた。




月明かりに 浮かび上がるそのシルエットは美しく 淫靡で


まるで 夜ごとその姿を変える浮気な月の女神……。
そんな錯覚さえ 覚えさせる。









…最近、僕の描く女性は妖艶で挑発的。
でも蠱惑的な魅力に溢れていると、好評だ。


ただし、僕の妻と正反対の女性ばかりを描くから、夫婦仲は……。と、要らない尾ひれがついて



僕の妻。紫は、
スタイル抜群で女性らしいが、性格は理知的で あっさりしている。





まぁ、紫の僕だけにしか見せない所なんだから、仕方ないし
僕には、そう揶揄される度に 独占欲を大いに満足される所でもある。





紫。
君との生活は暖かく刺激的だ。



もし、誰かに評価しろ…と言われたら



きっと、君の嫌いな所は 欄が足りなくなる位 箇条書きが出来て…


君を好きな所は全く書けない。




紫…。

そう膨れっ面しないでよ。






何気ない日々のシ―ンが 胸に溢れ 出て…言葉に出来ない。



君を愛してる。
そんなセリフだけじゃ、しっくり来ない。






好き…から 愛してる。

愛から
傍にいて当たり前の存在に。



紫。君が居ないと 満足に眠りにもつけないなんて…

なんて、クレイジ−
紫に…相当 イカれてる。






君の嫌いな所さえ、
不満を漏らしてる時でさえ…愛しいと思うんだ。



紫。ニコニコしないでよ。
……ちょっとは 治してよ?






やっぱり、いい。
丸ごと そのままな君が好きなんだ。


クールな表情をしてるつもりで、照れてる紫が 可愛いから…。



僕しか知らない。分からない。
 紫のすべて……────





とりあえずは、照れて 何かを言い出しそうな唇は 塞ごうかな?ねぇ? 紫。


そこも可愛いけれど、
今は 言葉以外で 愛を語りたい。気分なんだ。



紫。愛してるよ。
永遠に 僕は君の虜だよ──。




 

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