詩篇

□第二集
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【土砂降りの夜】


石畳を打つ雨のように
心は土砂降り
降り続く雨に荒み切って
自暴自棄に街をさすらう

酒場 私娼窟 貧民街…

ずぶ濡れになって行き着いた先は 狭い路地裏

酒と安物の香水の匂いに塗れて泥のように眠った

迷うなよ
自分を信じられなくなったらお仕舞いだ

分かってる 分かってるよ

けど 時々どうしようもなくなるんだよ

この血が この肉体が この精神が

厭わしくって堪らない

それでも変えることは出来ないんだ

分かってる 分かってるさ…



節々の痛みで目が覚める
鉛を呑んだように体が重い

熱…
風邪に取り憑かれたようだ

俺はぼやける目を空に向けた
映ったのはラベンダー色の空

止まない雨は無いよ

今までに何度も繰り返した絶望ゲーム
酷い頭痛にも拘らず
横隔膜から笑いが込み上げる

大丈夫 生きていける

頬に一筋 涙が伝った
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