TENIS

□sweet trap
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甘い甘い、罠にハマッたらもうそこから抜け出せない・・・




「え?不二先輩、お休みなんですか?」

ー昼休み。
お昼を一緒に食べるためにいつもは不二が桜乃を迎えに来るのだが現れたのは不二と同じクラスの菊丸。

「そ。風邪ひいたみたいなんだよ」
「不二先輩…大丈夫なんですか?」
心配そうに尋ねる桜乃の頭を優しくポンポンと叩くとニッコリ笑い言う。
「大丈夫。大丈夫♪不二は風邪ぐらいじゃ死にゃしないて。桜乃ちゃんがお見舞いに行ったらきっと元気になるから行ってあげなよ」
「はい。菊丸先輩も一緒に行きませんか?」


桜乃の問いに菊丸はポリポリと頬を掻きながら…
「うーん…俺まで一緒だと怒りそうだから遠慮するにゃ…」
「そうですか?菊丸先輩はいつも周りまで元気にしてくれる…だから不二先輩も菊丸先輩の明るい笑顔見たら元気になると思いますよ?」

ニッコリ笑い自分を褒める桜乃がたまらなく可愛くて思わず抱きつきそうになるがー



ー僕が居ない間に桜乃ちゃんに手、出したら承知しないよー

…と頭の中で幻聴のような声が響き抱きつくのをやめピタリと止まる。

(ー…そいや不二の奴、メールで自分が居ない間に桜乃ちゃんにちょっかい出す奴が居ないよう見張れって言ってたけ…)

「菊丸先輩?」
「ううん、にゃんでもな〜い♪…桜乃ちゃんだけのお見舞いのが喜ぶ筈だから…あっ1人で不二ん家、行ける?」
「…いくら方向音痴でも何度も行ってるから大丈夫ですよ。酷いです!菊丸先輩!!」
「ふ〜ん…何度も行ってるのかぁ…って事はもう…」

「え?」
桜乃はキョトンとする。

「いや、それはないだろう」

「「ーー!!!」」
突然の声に驚き振り返る2人…
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