TENIS

□僕達の始まり・・・
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桜乃は瞳をゆっくり開けるー


(…何だろ…この感触ーーー!!)


桜乃が瞳を開くと間近にある不二の顔…間近で視線が合い桜乃の心臓は高鳴る。
不二は驚いた様子で瞳を見開いていた…
そして自分の唇には温かい感触ーー

「ーー……!」
暫し固まったままだが慌てて起き上がり不二から離れる。
「っ……///」
桜乃は動揺し、何も言葉が出ないでいた。
不二も瞳を見開き驚き無言だったが我に返り…
「桜乃ちゃん、大丈夫?怪我はない?」
不二が呼び掛けるものの桜乃は顔を真っ赤にさせたまま放心状態だった。


「桜乃ちゃん?」
不二は桜乃に近づき声を掛ける。
「あっ…えっと…その……っ〜〜////」
どうしていいか分からずただ混乱する。
思考回路はもはやショート寸前…
桜乃は立ち上がると突っ走りその場を去っていく…


「あっ…行っちゃった…う〜ん…荷物どうしようかな…僕、1人で運ぶしかないか…」
不二は散らばった荷物を片付け資料室へと運ぶ。




一方…
「〜〜ふぇ〜ん…ど、どうしよぅ〜〜」
全速力で走り力尽きた桜乃は頭を壁にくっつけ座り込む…
(…不二先輩と私…////ふぇ〜不二先輩と合わす顔がないよぉ〜)
「竜崎!頼んでた荷物、運んでくれたか?」
「あっ…先生…荷物?…!!(…どうしよう…あのまま逃げて来ちゃったよ〜)」
「大丈夫ですよ。ちゃんと運びましたから。ねっ桜乃ちゃん」
「…!!不二先輩…」
「そうか、ありがとうな」
先生が立ち去り…


「桜乃ちゃん…」
「あっ…あの…すいません…先輩に運ばせちゃって…」
「くすっ…いいんだよ気にしないで」
いつもと変わらない優しい笑顔…
(…不二先輩…さっきの事、気にしてないのかな…落ち着いた感じだし…初めてじゃないよね…だからだよね…)
「…桜乃ちゃん、怪我してない?」
「えっあっ……///」

自分を見つめる不二…
無意識に唇に視線がいってしまう…
思い出される光景に桜乃は顔を真っ赤にさせる。

「////そ、それじゃ!失礼します!荷物運んでくれてありがとうございました!」
深く、お辞儀をし、その場を立ち去るが慌ててるために人にぶつかっては謝りまた人にぶつかっては謝るの繰り返しだった…
「くすっ…可愛いな」
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