TENIS

□僕達の始まり・・・
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「不二!!」
「何?英二?」
「何、いきなり桜乃ちゃんに告ってんだよ!桜乃ちゃんが好きだなんて言ってなかったじゃんかよ!」
「盗み聞き?趣味悪いね」
「偶然、通りかかったんだよ!で、どういうつもりなんだよ!」
「だって最近、気になり始めたし…でも…一目惚れかもしれないけどね」
「えっ?」
「英二も朋香ちゃんに告ったらいいじゃない…」
「にゃっ?///」
「分かりやすいんだよね。英二は好きな子にはちょっかい出すタイプだから」
「〜〜///でも桜乃ちゃんて、おチビと付き合って…」
「付き合ってはないみたいだよ…彼女は越前を好きかもしれないけど…それで諦めるつもりはないからね。じゃ僕はこれで…」

…一目惚れ…
そうなのかもしれないな…
あれは桜が散り始めの頃…偶然、1人熱心に練習に励む彼女の姿を見つけた。


『1,2,3…あっ…ボールが…』
壁打ちに失敗し自分の足元にボールが転がって来る。
不二はそれを拾い上げる。
『…不二先輩…』
『やぁ…確か竜崎先生のお孫さんの…桜乃ちゃん…だよね』
『はっ、はい!///』
名前で呼ばれたのに照れたのか頬を桜色に染める。
『あっ名前呼びいけなかった?』
『いっいえ!全然構いません!/////』
『そう…良かった。練習頑張ってね』
そう言いボールを手渡す・・・・・・・

その瞬間、手が触れ彼女の頬がまた染まり
指先から緊張が伝わるー…

そんな表情に僕の心臓は小さく音を立てた…

きっとそれが始まりだったかもしれない…

それから練習する彼女を見掛けてはアドバイスをしてあげていた。
『先輩のアドバイスのおかげで少しは上達出来ました。ありがとうございます』
『そんな事ないよ。桜乃ちゃんの飲み込みが早いからだよ。努力してる成果だよ』
『…///不二先輩にそう言ってもらえると頑張れます…』
恥ずかしそうに顔を赤くし微笑む彼女を'可愛いね'と微笑んで言うと更に顔を赤くする…

そんな表情がたまらなく好きで…よくからかってたりしてたな…

手を取って教える時、少し触れただけで赤くなる頬…

上手くいった時の嬉しそうな表情…

ドジをして恥ずかしそうにする表情…

心に焼き付いて離れない…
僕は君が好きなんだと気付いた…
ーいや…桜色に頬を染めた君を見た瞬間に僕の心は桜色に染まっていたんだ…
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