TENIS

□僕達の始まり・・・
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「ー……………」
桜乃は自室のベットに仰向けに転びボンヤリとしていた。

ー僕は桜乃ちゃんが好きだからー

信じられない…
だって私なんかとじゃ釣り合わない手の届かない人だと思ってたー
自分に優しいのもそれは自分が顧問の孫娘だから…
それしか自分にかまってくれる理由はないと思っていたから…

だから自分を好きだなんて信じられない…
何の取り柄もない…
ドジな自分なのに…

そっと自分の唇に手を充てる。
まだ唇に残る感触…
鮮明に残る間近で見た瞳…

まだ胸の高鳴りが止まない…

これから不二先輩と普通に接する自信がない…
これからどうしたらいいのかな…




ー翌朝、桜乃は普通に学校へ向かった。
学校に行けばいくら学年が違うとは言え不二と顔を合わす確率はある…
でも休めば心配をかけるから…

このまま気まずい雰囲気は嫌…
前みたいにもう先輩と話せなくなる…このままじゃいけない…
そうは思っても顔もまともに見れない…
どうしたらいいんだろうー

昼休み…桜乃は中庭で朋香とお弁当を食べながら昨日の事を相談していた。
「これからどうしたらいいのかな…先輩と普通に話す自信がないよ…」
「まぁそんな事あったら意識するのは分かるけど避けるのも不二先輩に悪いわよ?で、桜乃は不二先輩の事、好きなの?」
「…分からないよ…今まで優しくしてくれてて気になっていたけど…それが恋なのかも分からないし…私を好きなのもまだ信じられないもん…」
「もっ〜まだそんな事を言って…もっと自信持ちなよ。桜乃は何にでも一生懸命でがんばり屋で素敵な子だよ。親友の私が保証する!きっと不二先輩もそんな桜乃に惹かれたんだよ」
朋香の言葉に目頭が熱くなる…

「ありがとう…朋ちゃん…でも何で先輩、リョーマ君と付き合ってるなんて聞いたんだろ…?」
「そりゃテニス始めたのリョーマ様がキッカケでしょ?だから先輩、桜乃はリョーマ様が好きだと思ってる確率…100%…だな。何て乾先輩の真似〜♪」
「朋ちゃんたら…確かにテニス始めたキッカケはリョーマ君で…リョーマ君のテニスは好きだし憧れてるよ…助けてくれた時も嬉しかったけど今は…」
「不二先輩の事ばかりなんでしょ?」
「うん…////でも昨日の事があったから更に意識するようになったもんだし…いいのかな…」
「いいんじゃない?そんな風に始まる恋もロマンティックで♪素敵じゃない♪恋のキッカケなんていつあるのかも起こるのかも乾先輩のデータでも分からない筈よ!」
「…そうだね…でも…不二先輩と普通に接する自信が…」
「それは桜乃の勇気次第だよ。少しの勇気で一歩が踏み出せるんだから…頑張りなよ。じゃ私は委員会の仕事あるから行くね」
「うん…ありがとう」

朋香が立ち去り桜乃も立ち上がり教室に戻ろうとすると目の前にはーー
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