TENIS
□未来への地図
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不二の自宅近くに来ると不二が家の中に入ろうとしていた…
「ー不二先輩!!」
「あれ?桜乃ちゃん。どうしたの?」
突然、呼ばれ驚いた顔で不二は振り返る。
「…先輩…あの…」
「んっ?…よかった…気付いてくれたんだ」
桜乃が握り締めてるモノに気付き微笑む。
「…桜乃ちゃん…貸して…」
「えっ?はい…」
不二は桜乃から受けとると桜乃の左手を取り…
「…!!先輩…」
気付くと桜乃の細い左の薬指にはキラリと光るリング…
「…これが本命のプレゼントだよ…」
「…っ……」
嬉しくて言葉にならない…伝えたい言葉は溢れてるのに…
「僕はもうすぐ中等部から高等部に行って桜乃ちゃんとは離ればなれになるよね…その間、桜乃ちゃんが誰にも取られないようにね」
「…私は離れていても先輩を好きなのは変わりません…けど…先輩は…もしかしたら私なんかより好きな人が出来たらて不安で…そう思うなんて先輩の事を信じてない証拠ですよね…先輩は私の事をちゃんと想ってくれてるのに…ごめんなさい…」
俯き涙声で言う桜乃をそっと抱きしめる…
「不安なのは僕も同じだよ…でもね桜乃ちゃん…これからずっと先なんて分からないけど僕が思い描いてる未来には何時だって隣で笑ってる桜乃ちゃんが居るんだよ…」
「…先輩…私も…これからもずっとずっと…先輩と居たい…例え離れていても大好きです…」
「僕も大好きだよ…桜乃ちゃん…」
お互いの視線が重なると口付けを交わす…
それと同時に家の扉が開かれー・・・・・・