□奇跡
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「先生、ベッド借りるな」


今日の美術の時間もサボるために保健室へ向かう。


まぁ…サボるためって言ってるけど、実際はただあいつに会いたいから行ってるだけなんだけど。


【サボる】なんて理由はただ先生に会いに行くための口実。



「ベッド借りても良いけど、担当の先生にはちゃんと保健室に行きますって言ってきたの?」


「ちゃんと言ったよ。
本当にあんたは心配性だよな」


「心配性ってわけじゃないけど、後から注意うけるのは藤くんだから」


「大丈夫だよ、俺は注意されたことそんなにないし」




もし注意されるとしても先生に被害は出ないのに困ったような表情をする先生。

そんな優しいところもきっと俺は好きなんだ。


先生はどうせ俺のこと生徒としてしか見てないと思うけど。
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