倉庫 GC-2
□140字SS
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○気遣い
左足を擦る彼の背を、もう何度見たことだろう。
「痛むの?」
問えば答えはいつも同じ。
「もう歳かな」
関節痛だと笑う彼の足には、数発の鉛玉が埋っている。
それが時折疼き、彼を苛むのだ。
でも彼は決してそのことを口にしない。
僕が僕を責めないように。
だから僕は笑うのだ。
何も気付かない振りをして。
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