倉庫 汎用
□黄金色の報酬
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金が欲しかった。
このふざけたプロジェクトに参加したのはそんな理由からだった。
金さえ貰えたら、さっさとこんな場所おさらばしてやるのに。なのにプロジェクトはあまりに長かった。
「時真さん!」
校庭を歩いていると、小夜が声をかけてきた。
嫌な予感がした。
「お弁当、食べませんか?」
幸せそうな笑みを浮かべて掲げる包みは、おそらくまたあの男が作った弁当なのだろう。
味は普通に旨いのだが、中に何が入っているのかと思うと食べる気にはなれなかった。
「今日は……」
またあんな得体の知れないものを食わされるのは御免だ。
だというのに、
「今日は文人さんに手伝っていただいて、自分でも卵焼きを作ってみたんです」
そんな顔で言うものだから、断るに断れなかった。