倉庫 汎用

□黄金色の報酬
1ページ/4ページ

金が欲しかった。
このふざけたプロジェクトに参加したのはそんな理由からだった。
金さえ貰えたら、さっさとこんな場所おさらばしてやるのに。なのにプロジェクトはあまりに長かった。

「時真さん!」

校庭を歩いていると、小夜が声をかけてきた。
嫌な予感がした。

「お弁当、食べませんか?」

幸せそうな笑みを浮かべて掲げる包みは、おそらくまたあの男が作った弁当なのだろう。
味は普通に旨いのだが、中に何が入っているのかと思うと食べる気にはなれなかった。

「今日は……」

またあんな得体の知れないものを食わされるのは御免だ。

だというのに、

「今日は文人さんに手伝っていただいて、自分でも卵焼きを作ってみたんです」

そんな顔で言うものだから、断るに断れなかった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ