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□とんだサプライズ
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僕が思うに、彼はアホだ。

「最初はグー」

そうでなければ、何度もこんな馬鹿なことを繰り返すはずがない。

「じゃんけんぽん」

僕が突き出すのはパー。
彼が突き出すのはグー。

「……どうして君はそうなんだ」
「何の話だ」
「じゃんけんの話だよ」

僕がパーを出すのはこれで28回目。
じゃんけんを始めてからずっとだ。
対する彼がグーを出すのも28回目。
つまり僕は28連勝中だ。

「なんで君はグーしか出さないんだい?」

彼は頑なにグーを出し続けている。
僕がパーを出すと宣言しても尚、彼はグーだけを選んだ。

「そんなの、決まってんだろ」

その理由を、彼はゆっくりと拳を開きながら答えた。

「これを持ってるからだよ」

開かれた掌に乗っていたのは、沢山の紙切れ。
彼はそれをもう一度掌に納めると、握り締めた紙片を一気に僕に浴びせかけた。

「なっ!?」

咄嗟に顔を庇うと、彼は楽しそうに僕を笑った。
そうして、僕にこう言った。

「ハッピーバースデイ、委員長」



――――――――――
付き合いのいい委員長とサプライズ好きな時真
 

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