銀魂(高銀)

□夜叉
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守れなかった

大切な仲間を

守れなかった

大切な家族を


「うぁあぁあああぁ、ああああ、ああああーーーーー!!!」


声がかれるほど叫ぶ

苦しくて悔しくて辛くて




助けてほしかった、この悲しみから、苦しみから


(先生…)



涙が出る


助けてほしかった…ジリジリ…ジリジリ…

頭が焼ける

熱い


眩暈がする



神楽や新八の顔が消えていく

ジリジリ


ジリジリ

ジリジリ……


ジリジリ……

忘れる…憎しみも悲しみも…


消えていく…





(俺は………。)




「旦那ァ、こんなところで何してンですか?」


ポチャン、と石ころを川に投げる

「んー、なんとなく暇潰してるだけ」

「暇って、アンタの大事な仲間が死んだって言うのにのんきなものですね」

ジリジリ

ジリジリ

仲間っていたっけ?

誰?仲間って忘れた?いや始めからいない

「お前はサボり?」

「俺ァ巷で高杉晋助を見かけたって有力な情報を手に入れたンで今から向かうところでさァ。で、まるで死んだように遠くを見ている旦那を見かけたンで一応声かけようと
思ったんですがありがた迷惑な話みたいでしたねィ」

「へぇ」

「……ま、ここに地図のコピー二枚あるんで一枚旦那に差し上げやす、んじゃ俺はこれで」


ジリジリ

タカスギ……いつぞやにやり合ったな……なんでやり合ったんだ?思いだせねぇ…頭いてぇ…



銀ちゃ、ん逃げ……て…ぎ、んちゃ…

誰だお前


銀さん!逃げてください!奴の狙いは貴方です!



あぁダメだわからねぇ



許さない





誰を?






殺してやる








だから誰をだよ?




















「復讐しに来い。銀時ィ、テメーの獣を俺に見せろ」




血の匂い、血の匂い、血の匂い


ジリジリ……




「昔のお前はさぞ美しかった。まるで戦場をかける一輪の夜叉みてーにな」



(殺す)

(殺す…!!!!!!!!!!!!)

(殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)


ドシャグシャバシャ……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




あぁ、なんか記憶が…なんだこれここは昔の俺?

俺が戦ってやがる、おーおーあんな怖い面構えしてたのか昔の俺はよォ


ジリジリ…

ジリジリ…




「兄さん、こんなところでなにやってンだい?見たところいい身体付きをして…どうだい?うちで働かねーか?なぁにちょいと薬を運んだりす…アアァァ!!!」








殺さなきゃアイツを


殺さなきゃ俺をじゃないとダメなんだ、ダメになる。




「高杉……」



白い夜叉は再び蘇る


獣の血を求めて


その男、血の海でうっすら笑みを浮かべていた
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