銀魂(高銀)
□囚われの囚人
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重い瞼を開ける。視界がややぼやけて見える。頬や身体が痛む。頭痛がする。
ここだどこだ
瞳を動かす。身体を動かそうとするが、動けない
よく見たら両手を鎖で繋がれている。
あぁ、思い出した。
高杉とやり合って俺は運悪く奴に捕まったんだ。
いやこうして生きのびただけで良しとするか
両手を動かすが鎖は外れそうにない
ここは、…船の中?
耳に上空を飛ぶエンジン音が聞こえる
「高杉ィ……っ」
奴の破壊工作を止められなかった自分にイラつきながらも、そこにいない、名を口にする相手への怒りから表情を歪める
するとこちらに向かってくる足音が聞こえる
この音…俺は知っている
歯をかみ合わせ、扉のする方へ俺は鋭い視線を送る
「よォ…銀時ィ無様な格好してるじゃねェか…ククっ…」
「高杉ィ…どういうつもりだァ?なぜ俺を殺さなかった?」
二つの研ぎ澄まされた空気がぴりりと重なる
高杉はうすら笑み浮かべて、獣のような目で銀時を見る
「残念ながら、昔の同士だから殺せなかったって甘っちょろい理由じゃねぇ。俺はさらなるバックを得る為にお偉いさんがてめーを生きたまま欲しいっていうんで、
殺さずに捕らえただけだ。ついでにそのお偉いさんはちと変わった趣味がおありのようで生きた人間の心臓やらなんやら取り出した後自慢のコレクションを披露する為
標本にするんだとさ」
銀時はそのあまりにえぐい内容に顔を引きつらせる
高杉はそんな銀時を気にする様子なく煙管からふーと煙を吐く
「まあよかったじゃねぇか、これで伝説は永遠に人々の記憶に残る。もっと喜べよ、なァ銀時ィ?」
ククっと心底楽しそうに高杉は笑う
「で、てめーは標本にされる俺を笑いにきたってわけか?」
皮肉をこめて銀時は高杉に言う
高杉はそんな銀時の言葉に強気な部分があることを知りつつ銀時の元へ歩み寄る
「そう目の仇のような顔するなよ、今は敵同士と言っても昔は同士だったんだ。俺ァそんな友に最後の別れを言いに来てやったんだよ」
相手を馬鹿にするような声で高杉は言う
銀時の元へ寄ると人差し指の間接で銀時の頬を撫でる
銀時はそれをうざったそうに顔を振り避ける
「にしてもお偉いさんも随分な悪趣味なもんだァ野郎の心臓や内臓をホルマリン漬けにしてコレクションにするたァよ。ま、俺はそんなモンに興味はねェが
野郎でもこれだけべっぴんさんならお相手願っていたかもしれねぇな…」
「変態野郎がァてめーの相手なんざ死んでも御免なんだよ高杉ィ」
その言葉に高杉は両の口端を大きく上げて笑う
「冗談だァ、怒るなよ。まぁ」
銀時の隙をついて高杉は銀時の唇に己の唇を重ねる
なにが起こったか混乱している銀時をよそに高杉は銀時の口内へねっとりと熱を持った舌を入れ銀時の舌を味わう
暫くしてゆっくり高杉は唇を放す
「この船には野郎が大好きだって変態がいてなぁ。女を知らないてめーに同情して特別教えてやるよ、男をよォ」
あぁ…頼むからさっさとこの悪夢から解放してくれ。