薄桜鬼(沖千/千鶴総受け)

□己傷つけて生を実感する
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ざくざくざく

手首から赤い、赤い血が滴り落ちる


ギィィィ



薄暗い和室に一筋の光が射す


男は少女の手首からナイフで傷つけられ滴り落ちた血を表情一つ変えず見つめる


少女は男をゆっくり虚ろな瞳で見つめた後、再びナイフを手首に添えて手首を傷つける




痛い、痛い、心が痛い

生きているのが苦しい、しにたい


少女の瞳はまるで絶望にも似た淡く濃い色をしている



「千鶴ちゃん、またやったの?別に君がそうしないと自分を保てないから自分を傷つけるのはいっこうにかまわないんだけど
君はあくまで利用できると今は踏んだからここにおいているの、いわばその身体は僕たち新撰組が預かっているようなもの。
勝手に傷つけられちゃ僕が後で土方さんに怒られる、いいかげんそこらへんにしたら?」


千鶴と呼ばれた少女は相手の言葉に耳を傾けることなくただ黙々と機械が動いているように作業を続ける
その間、ぽとりぽとりと血が畳に落ちる


タスケテ…タスケテ




(あーあー、千鶴ちゃんどんどん病んでいくね、そんな君を見ているのはとても面白くて大好きだよ)

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