ほんやさん
□逢えない故に君想ふ
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いろいろ考えているうちに時刻は深夜0時をまわった。
「・・・帰ろう。」
重たい体を引きずって幸村はバイト先のカフェを出た。
なんとなく近くの公園に立ち寄ってみると
ベンチで寄り添って仲良く音楽を聴いているカップルの姿。そういえば2年前仕事でイギリスに行くと政宗から告げられたのはこの公園のベンチだった。
『幸、来週から仕事でイギリスに行くことになったんだ。』
『そうでござるか。どのくらいの期間なので?』
『さぁな。1年かかるかもしれねぇしもしかしたらそれ以上かもしれない。』
『・・・』
『そんな悲しい顔するなよな。俺だってできれば行きたくない。』
『ならば、某も連れて行ってくだされ!』『それはできない。アンタは大学にちゃんと行け。』
『っ』
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