絆-きずな-
□ゲームをしよう
1ページ/7ページ
ニヤリと、笑ったおじい様から出てきた言葉は、意外なものだった
「楓、お前には学校に行って欲しいんだ」
どうやら、今日来たのは楓を学校に行かせる為らしい
「行かねー」
明後日の方向を向いて楓が言った
「そんなに、思いっきり嫌がらなくても良いだろ。お前も春からは高校生になるんだしなぁ!
それに、通う学校は私の経営してる学校だ。
何の不満がある!!!!」
楓は、紅茶を一口飲んでから言った
「第一にじじいが運営していること。
第二に百合がいないこと。
第三に学校には行かねー。以上」
それだけ言うと、そっぽを向いてしまった
「第三のは、理由にならないね」
おじい様、全部が全部、理由になっていませんよ
僕は、思わずツッコミたくなったが我慢した
「でも、佐伯先生が担任だしね」
「行かねー」
「でも------」
チラッと、おじい様が僕を見た
「百合も行くよ!!!」
「はぁー!!!!!!!!!」
思わず僕は、叫んでしまった
「ちょっと、おじい様!!!!私は行きませんからね!!!!」
おじい様は、平然と紅茶を飲んでいる
「だって、楓は百合が行かないと学校に通ってくれないって言うからねぇ。仕方ないよ」
ニコリと黒い笑みを浮かべた
あの獲物を見つけた時の蜘蛛の笑みだ
.