絆-きずな-
□楓のイタズラ
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「百合、遅いぞ」
僕が自分の部屋に戻ると、不機嫌な顔をした楓がいた
楓は、待つことが嫌いなのだ。
「ごめん!!!ちょっと、色々あってさぁ」
そう言って、僕のベッドに座る楓に近寄った
僕の部屋は、あまり楓の部屋の造りと変わらない
でも、僕も女の子だから可愛い人形は沢山ある
僕は、可愛いものが大好きなんだ!!!
「色々ってなんだよ??」
「あ----えっとですね」
まずい!!!
こんな不機嫌な楓の前で翔君の名前なんか出したら、僕も翔君も何されるか分かったもんじゃない!
なんか、いい言い訳を考えなきゃ!!!!
「ほー、俺には言えないことなんだな」
いつの間にか、立っていた僕の目の前に楓は来ていた
眉間に寄っていたシワが、より一層深くなる。
「い、いや〜そんなこと無いよ??」
そろーっと、楓から目をそらせてしまった
あーこう言う時って目をそらせちゃイケないんだっけ
でもさ、楓の顔が近いんだもん
さっきまでベットにいたのに、正面にいるんだよ!!!
しかも、わざわざ立っていた僕を座らせて、腰に手を回して近くにまで持ってきて!!
逃げられない様に腰に腕は回すなんて卑怯だよ!!
顔の距離が10センチ位しかないし!!!
近いって!!!!
わ-----近くで見るとキレイだなぁ
マツ毛長いし色は白いし、美容に気を使ってない僕でも羨ましいぞ!!!!
「か、楓???」
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